学会概要
目的・事業
スポーツ運動に関する理論的、実践的研究ならびにその相互交流を促進することによってスポーツ運動学の発展をはかり、これによってスポーツ実践に資することを目的としています。
●機関紙「スポーツ運動学研究」の刊行、毎年3月に開催される学会大会を中心に以下の事業について活発な活動を行っています。
(1)学会大会の開催
(2)講演会等の開催
(3)機関紙「スポーツ運動学研究」,会員名簿の刊行、ならびにその他の出版
(4)会員の研究に資する情報の収集と紹介
(5)研究の学際的、国際的交流
(6)その他の本会の目的に資する事業
スポーツ運動学(Bewegungslehre des Sports)とは
スポーツ運動学という領域はスポーツ科学の中核となる人間の運動を直接対象とした理論領域であり,実践のための理論として1960年旧東ドイツのマイネル(Meinel,K.)によって構築されました。
この新しい理論領域はスポーツ指導の基礎理論として不可欠なもので,保健体育科の教員免許状取得のために体育分野で唯一必修指定を受けている科目です(→「運動学《含む方法学》」)。しかし,我が国では比較的新しいこの理論領域は特にこれまでの自然科学的なスポーツ関連諸学とは全く異なった立場をとるために、十分に理解されず、誤解も少なくありません。
「科学的」なスポーツ運動学の発展を示すドイツの立場とは若干異なって、マイネルの目指した意図を厳密に理解していくことで日本の人間学的運動学は 全く新たな学体系を世に問うまでに発展してきました(「技の伝承」「身体知の形成(上・下)」(明和出版)/ 金子明友著など参照)。「新しい理論」であるが故、「馴染みのない」専門用語は少なくありません。「難しそう」というのが指導実践にかかわっている教師やコーチあるいは学生達の第1印象かもしれませんが、実は豊富な運動経験の中から具体例に置き換えて読むことで、極めて身近な問題であることが理解できます。
日本が発信するスポーツ運動学という学問領域の詳しい内容については上記をはじめとする、研究誌を参照していただきたいと思います。ここでは本学会の発足当初の講演内容に示されたスポーツ運動学という領域の扱う問題圏を再確認し、共通理解を得ておくことで、他学会とは異なる独自性及びその学会組織としての方向性が理解頂けるものと思います。
<資料>
「スポーツ運動学の今日的課題」 (設立10周年記念誌1997より)
「スポーツ運動学の原点を問い直す」(20周年記念講演2007より)